どのような場合に生前贈与をするべき?

●生前贈与とは?

生前贈与は、被相続人が存命中に財産を相続人やその他の者に贈与することです。普通の贈与と特に変わりませんが、遺言や死因贈与と対比する意味で使われる表現です。


●遺言による遺産分割方法を指定するやり方(遺贈)との比較

遺言の場合は、遺言の効力発生時には遺言者は死亡しているため、遺言が本当に遺言者の真意に基づくものなのかという点が問題となる余地がありますが、生前贈与の場合は、遺言者の真意に基づくことが明白なので確実にもめ事を予防することが可能な点がメリットです。

デメリットは、被相続人の生活資金を確保しなければならないので贈与金額には限界がある点です。


●死因贈与との比較

死因贈与とは、相続人が死亡することを条件として財産を贈与することです。遺贈を似ていますが、遺贈が受遺者(相続財産をもらう人)の同意なくできるのに対し、死因贈与は受遺者との同意の下で行われる契約です。このように法的違いがありますが、メリットデメリットは前述の遺贈の場合と同じです。


●生前贈与において検討するべき点

① ライフプランニング

生前贈与を行ったことで被相続人の生活資金がなくなってしまうのは意味がないので、被相続人の今後の生活資金とのバランスは要検討。


② 税金面

生前贈与は相続財産が減少するため相続税の節税につながりますが、贈与税の負担が生じる可能性があるので対策要。


③ 特別受益による持ち戻し(一部の相続人だけが被相続人から生前贈与や遺贈、死因贈与で受け取った利益を相続財産に組み入れて公平に遺産分割する)への配慮

生前贈与を行った場合、特別受益にあたるかどうかが問題になる可能性があるので、生前贈与の趣旨を明確にし、必要であれば持ち戻し免除の意思表示を他の相続人に行っておくこと必要になります。

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