●遺産分割との関係
① 通常、死亡退職金は遺産分割の対象とならない
主として遺族の生活保障を目的としていると考えられるため、受給者固有の権利として評価されます。したがって会社規定で定められた受取人が死亡退職金を受け取ることになります。
なお、会社規定が民法の法定相続人や法定相続分の定めと一致するとは限りません。
例えば、配偶者と子がいる場合でも社内規定では配偶者のみが受取人となる場合があります。
また、相続放棄をした者でも死亡退職金を受け取ることは可能です。
② 遺産分割の対象となり得る場合
死亡退職金などについて会社規定がない場合には、当然に受給者固有の権利とする評価は確定できません。この場合は死亡退職金は被相続人自身への功労報酬や慰労金を目的としていると考えられます。
したがって相続財産として遺産分割の対象となる場合がありますので、遺産分割協議によって受取人とされた者が死亡退職金を受け取ることができます。
●相続税課税との関係
死亡退職金は、受給者固有の権利として遺産分割の対象にはならない場合でも、税法上は「みなし相続財産」として課税対象となります。
もっとも、死亡退職金の全額が課税対象になるわけではなく、500万円×法定相続人の数(相続放棄した者も含みます)の金額については非課税となります。
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