被相続人が残した借金や保証債務はどのように扱われる?

●遺産分割との関係

① 被相続人の借金について

相続と同時に法定相続分に従って当然に分割されるので遺産分割の対象にはなりません。

例えば、妻と子の遺産分割協議で子が銀行からの借入債務を全部引き継ぐと決めたとしても、相続人間の約束事に過ぎず、妻は債務を相続していないこと銀行には主張できないことになります。


② 被相続人の保証債務について

借金と同様に、相続と同時に法定相続分に従って当然分割され遺産分割の対象にはなりません。


➂ 債権者との再契約

もっとも、上記のような当然分割の取扱いが、常に相続人側の意思に合致するわけではありません

例えば被相続人が事業を営んでいた場合、親の事業を引き継がない相続人も被相続人の債務を引き継ぐというのは、あまりにも相続人間の意思に反することになります。

また、債権者側でも、相続人の一部に資力のない者がいる場合にはその分債権回収が難しくなるので、債務の当然分割がお互いにデメリットになってしまいます。

そこで実際には相続人と債権者が別途協議の上、借金や保証債務を承継する者を決定して再契約する事例が多く見られます。

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