●債権(貸金など)と遺産分割協議
被相続人が有していた債権(相手に対する請求権)または被相続人の死亡によって発生した債権には、金銭債権、賃借権、損害賠償請求権、生命保険、退職金、遺族年金などがあります。
こうした債権は、金銭債権のように遺産に入るものと、遺族年金のように年金を受ける相続人の固有の財産になり、遺産にはならないものがあります。
遺産分割協議では、まず遺産になるかどうかを明確にしてから分割について協議をすることになります。
判例によると、
金銭債権は分割債権になるので、相続開始とともに法律上当然に分割され、各相続人は相続分に応じて権利を承継されます。
このように考えると、金銭債権は遺産分割協議は不要になりますが、現実的には遺産分割協議の対象にする方がよい場合があります。
たとえば、相続人が子2人で、1人が不動産をすべて相続し、ほかの1人が現金・預金をすべて相続するという場合は実務では、金銭債権も遺産分割協議の対象とする運用になります。
●債務(借金など)遺産分割協議
債務の主なものは借金です。借金はマイナスの遺産となり相続の対象です。遺産分割をするまでは、借金も法定相続分に従って相続されます。
遺産分割協議では1人が相続するパターンもあります。たとえば、事業の承継者が事業に伴う負債も承継する場合などです。
このように遺産分割協議では法定相続分と異なる相続をすることが可能です。
現実的には、余裕があれば遺産から先に借金を支払った後に、あまりの財産について遺産分割をする方法も取れます。
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