ないと思っていた遺言書が分割協議後に見つかった場合はどうなる?

●法定相続と遺言による相続では、遺言による相続が優先します。

遺産分割協議が終了した後で、遺言書が出てきた場合はどうなるのでしょうか?


遺言には時効がありません。場合によっては、遺産分割終了後何年も経ってから遺言書が発見される場合も出てきます。

そのような場合でも遺言内容が優先するので、遺言内容と異なる遺産分割は無効ということになります。

しかし、相続人全員が合意した場合には、遺言の内容と異なる遺産分割も有効とされているので、反対者がいなければ、遺産分割協議どおりでよいことになります。


●ただし、遺言書に遺言執行者相続が遺言書どおりに実行されるように必要な手続きを行う者)が指定されている場合には、遺産分割協議どおりにはいきません。

遺言執行者が遺産分割を追認すれば問題はありませんが、追認しない場合は遺言執行者の指示に従って遺言内容どおりに遺産分割をやり直すことになります。


●遺言書で相続人以外の第三者への遺贈がなされている場合も問題です。

遺産を受け取る権利がある受贈者を除外して遺産分割協議が行われたことになるので、協議は無効になり、再度、遺言内容に沿った遺産分割を行うことになります。


●なお、遺言の隠匿(見つけても隠すこと)は欠格事由にあたるので相続する資格がなくなってしまいます。遺言が見つかった場合は相続人全員に知らせ、内容を確認できるようにしなければなりません。

勝本行政書士法務事務所 大阪・北浜/堺筋本町

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