公正証書遺言作成の進め方⑤

前回ご紹介した公正証書遺言作成①~⑯の手順の⑤をご紹介させていただきます。


⑤相続税の問題の有無を確認する

前回の③でご紹介した財産一覧表を作成した場合、そちらを見ながら相続税がかかりそうかどうかを確認します。


相続税は全財産の合計が、「3000万円+法定相続人の数×600万円」の基礎控除を超えなければかかりません。(相続税は、相続が起きる前3年以内に相続で財産を渡す相手にした贈与や、相続税採算課税という特例を使って行った贈与で渡した財産も含みます)

法定相続人とは、仮に遺言書がなかった場合にも相続で財産をもらう権利のある人のことです。


なお、法定相続人の数は、遺言書の内容によって変わることはありません。

たとえば、法定相続人が6人いたとして、遺言書で財産を渡す相手が1人である場合でも、基礎控除額の計算は、「1人」ではなく「6人」で行ない、「3000万円+6人×600万円=6600万円」までは相続税がかからない。ということになります。基礎控除額を超えないときは相続税の心配は不要です。

(相続税の計算法は煩雑につき今回は省略)


相続税は現金一括払いが原則です。

そのため不動産や上場していない株式など換金が難しい財産を渡そうとしている相手が、相続税を支払う現金がなく、支払に苦慮してしまうかもしれません。そうならないように、相続税を払える程度の金融資産を追加で渡してあげるなど、配慮する必要があるのです。


そのうえで、多額の相続税がかかりそうだという場合には、税理士などに相談し、「生前贈与等の節税対策」や、「納税資金を準備する対策」、「小規模宅地等の特例など、相続税の特例適用の可否」を検討しましょう。

勝本行政書士法務事務所 大阪・北浜/堺筋本町

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