●不動産(土地・建物を)各相続人で共有する方法
一番簡単な方法が共有です。不動産は相続財産なので遺産分割の対象になります。
しかし、物理的に土地建物を各相続分で分筆するのは現実的ではありません。
そこで、土地建物を相続分に応じて各相続人で共有し、その旨を登記することが可能です。
なお、民法にて相続人が数人いる場合は、相続財産は共有になるのが原則とされています。
前述のとおり一番簡単な方法なのですが、デメリットがあります。
例えば、その土地建物を賃貸または売却する際に共有者の了解が必要になります。
この方法では、それぞれの相続人に家族がいて、その家族がまた相続した場合に共有者が多くなっていまい、了承を得るための連絡が困難になってしまいます。
そしてそのまま手続きが進まず放置され登記されないことが実際に多発しています。
(※令和6年度からは不動産の相続を知った時から3年以内の相続登記が義務化されました。)
●相続人の1人が不動産を相続し、他の相続人に金銭を支払う方法
前述のとおり、共有する場合は手続きが将来的に困難になる可能性が高いので、一番スムーズな方法になります。
この場合は不動産の持ち分を共有名義にすることなく、売却をする必要もないので、建物に居住する相続人が住居を失うという心配もありません。
デメリットは、建物を相続した相続人が他の相続人に対して各相続分に応じた金銭を支払わなくてはなりません。
手持ちの金銭が十分にある、被相続人の生命保険や本件不動産を担保にして金融機関から借りることができるなどの場合にしかこの方法をとることができません。
また、不動産の評価を適正にするために不動産鑑定士に依頼する場合の費用も必要になります。
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