●認知症や精神障害がある相続人がいる場合
認知症や精神上の障害により判断能力を欠いている方は遺産分割協議ができません。
遺産分割協議をする場合は、協議をする相続人に判断能力があることが大前提です。
認知症や精神障害の方は自分で判断ができない状態なので、その方を保護するため正式な代理人を定めることが必要です。
まず、家庭裁判所にて後見開始の審判の申立てを行い、保護者としての成年後見人を選任してもらう必要があります。
●成年後見人が選任するまでの流れ
申立てを受理した家庭裁判所は、申立人や成年後見人候補者と面談をして、申立てに至った経緯を聴取したり、医学的な判定を受けるために鑑定手続をするなど、本人の状態を把握し、成年後見人に適任であるかを審理します。
成年後見人になれる者は親族に限られず、士業などの専門家が選任されることがあります。
なお、成年後見人が相続人の立場になった場合は遺産分割協議の場では利益相反になってしまうので、成年後見人に特別代理人を選任することを家庭裁判所へ請求します。
●成年後見人の職務
成年後見人は、本人の意思を尊重し、かつ、本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、預貯金に関する手続きや介護に関する契約の締結などの法律行為を行い、本人の財産管理をします。
このような成年後見人の職務は、通常本人が亡くなるか、判断能力が回復するまで続きます。
遺産分割協議の際は、成年後見人は最低でも法定相続分を確保することが原則です。
本人の相続分をゼロにする協議をことはできません。
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