行方不明者がいる場合の遺産分割はどうなる?

戸籍上から相続人とはっきりとわかっており、現実には行方不明または失踪して本人に連絡する方法がない場合は、遺産分割協議ができなくなります。

この場合はどうするのでしょうか?

法律的な解決方法として2つあります。


●まず1つ目は、相続人が失踪して7年以上も行方がわからない場合です。

この場合は利害関係人が家庭裁判所に「失踪宣告の申立て」をします。家庭裁判所の失踪宣告の審判が出されると、失踪者は死亡したものとして扱われます。

失踪者に子がいる場合は代襲相続をします。


遺産分割協議後に失踪者が生きていることが分かった場合は、失踪宣告が取り消されます。

しかし、遺産分割に参加した相続人が、失踪者が生きていることを知らなかった場合は、相続遺産が残存する範囲内で、失踪者の請求(相続分の請求)に応じればよいことになっています。

しかし、失踪者が生きていることを知っていた場合は、行った遺産分割協議は無効になり、相続人である失踪者も含めてやり直すことなります。


●2つ目は、相続人が行方不明になってからまだ7年が経過していない場合、または失踪宣告を申し立てて死亡扱いをしたくない場合です。

この場合は、同じく利害関係人が家庭裁判所に「不在者財産管理人の選任の申立て」をします。

そのうえで、選任された不在者財産管理人と遺産分割協議を行えばよいことになります。

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