私たち目線に改正された民法のご紹介シリーズです。
前回ご紹介した、
知って損はない相続情報⑥「配偶者居住権 (被相続人の配偶者が被相続人財産であった不動産に、終身にわたり無償で居住する権利)」の続きです。
Q. 夫Aが所有していた建物Xの一部が居住用に使用していない部分があった。この場合、配偶者居住権を取得した妻Bは、建物Xを相続した子Cの承諾なしでその部分を居住用に使用することができるか?
A. 居住用に使用できます。
配偶者居住権は、配偶者がその居住していた建物全部について無償で使用&収益する権利だからです。
●収益する権利ということは、建物Xの第三者への賃貸が可能です。
●建物Xの増改築をすることも可能です。
ただし、賃貸・増改築は建物Xの所有者である子Cの承諾が必要です。
建物Xの所有者である子Cに無断で妻Bが第三者への賃貸・増改築を行った場合は、子Cは配偶者居住権を消滅させることができます。
このように、配偶者居住権は配偶者を守る強い権利であるとともに、建物所有者にとっては非常に重い権利になっているので、配偶者居住権を利用するかどうかは各御家庭の事情によります。
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